アレルギー体質で複数の食物アレルギーを抱えている娘。
これまで卵の成分がわずかながらも含まれているというインフルエンザワクチンは、深く考える前にアレルゲンを含むということで不安を感じあえて避けてきました。
しかし、ワクチンを打たないリスクもあるわけで、どちらが娘にとっていい判断なのか葛藤し、ついに3歳にして初めてワクチンを接種したのです。
その判断に至った道のりをご紹介します。
インフルエンザ予防接種を受けたい…卵アレルギーのせいで葛藤
今までなんとなくインフルエンザワクチンを作る過程で卵が使われてるというのは頭にあり、卵アレルギーがある人には危険であり、接種できないというイメージをもっていました。
そうは言っても、インフルエンザが重症化し脳症になってしまうなどワクチンを打たないことによるリスクもまた怖く、娘が産まれてから毎年インフルエンザワクチンを接種する・しないの選択の板挟み状態でかなりのストレスを感じていました。
インフルエンザワクチンについて先生たちに質問してみた!
改めて娘のアレルギー科の先生にインフルエンザワクチンについて質問すると…
そのような症状が出ているのは大人が多い
インフルエンザになってしてしまうと脳症のリスクもあるので後悔しない為にも接種を勧める
という意見をもらいました。
それでもまだ決心のつかない私は、自分のインフルエンザ予防接種を受けた内科の先生にも相談しました。
そう先生たちに言われたこと、
さらに、以下の日本アレルギー学会専門医・指導医によるYahoo!ニュースの記事で、
インフルエンザワクチン製造時に鶏卵を使用 卵アレルギーの子どもは予防接種できる?
アメリカで打たれているインフルエンザワクチンには、日本で打たれているワクチンよりも卵の成分が多く含まれている
それでも、重症卵アレルギーの子供も推奨される予防措置をしていればワクチンを接種できる
というアメリカのインフルエンザワクチン事情を知り、だんだんと予防接種することに対しネガティブな気持ちが薄らいでいきました。
また、別のサイトにも重症の卵アレルギーであっても接種可能という内容がありました。
ワクチンの製造過程で卵白成分が使用されていたことから、卵アレルギーがあると接種できないといわれていましたが、2011年にACIP(米国予防接種諮問委員会)より、じんま疹が出る程度の卵アレルギーでは問題なく安全に接種が可能と明言されました1)。2016年には重症の卵アレルギーのある人もアレルギー対応ができる医療機関であれば接種可能と、適応が拡大されました²)。重症の卵アレルギーのある患者さんは念のため主治医にご相談ください。
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
ワクチンプロジェクトチーム「こどもとおとなのワクチンサイト」より
卵アレルギーでも予防接種を受ける決心をする
そうして、やっと娘の予防接種を受けようと決心した私は小児科へ予約の電話をしました。
その決心をするまでに時間がかかったこともあり、すでに予約がたくさん入っており限られた枠しか残っていません。電話をした翌々週が開いていたのですが、ちょうど私の実家への長期帰省の予定を入れておりスケジュールが合いません。
仕方がないので、一旦帰省先から戻る一か月後の予約を取り、帰省先の小児科でワクチンを接種できればしようかなと考えました。
卵アレルギー者の予防接種を受け付けない小児科の存在に迷いがでる
私は娘を連れて年に数回、2~3週間ほど帰省しています。そのため、帰省中にかかる小児科も決まっていました。
さっそくその小児科で予防接種の予約が取れるかどうか確認すると…
なんと、その小児科では卵アレルギーのある場合、インフルエンザ予防接種を受け付けていなかったのです。しかもその小児科はアレルギー専門の先生です。
他の小児科のサイトを見ると、事前に抗アレルギー薬を服用してインフルエンザ予防接種をするというのもありましたが、帰省先の小児科では卵アレルギーがある場合は完全に受付不可ということでした。
実際に、卵アレルギーがあることによって、インフルエンザ予防接種をしないという先生もいるという現実に決心したはずの考えが揺らぎます。
そして、もう少し自分自身で納得してからでないと踏み切れないと感じました。
ここで少々ややこしいのですが、私はワクチン接種によるメリット・デメリット両方あると理解しています。
ワクチン接種せず病気になってしまう
ワクチン接種したことにより何らかの副作用がおきてしまう
この葛藤に関しては、インフルエンザワクチンに限ったことではありません。
どのワクチン接種のときにも変な緊張感をいつも感じ、保護者として接種に同意するサインをするときは、接種して大丈夫であるということに賭けているような状態。
自分の子供の健康や命を確実な保障などなく賭けで突き進むなんてありえないという気持ちにもなりますが、予防接種に関しては受ける、受けないどちらにしてもメリット・デメリットはあるわけで、この選択は避けられません。
その上で、私は接種せずに病気になってしまう可能性の方が、接種して副作用が出てしまう可能性よりも大きいと判断し、基本的には接種をするという考えでおります。
決して副作用を恐れていないわけではありませんが、複数の先生と話したり、調べたりした上での自己判断です。
このことを踏まえて、私が感じているインフルエンザワクチンに対する今回の迷い葛藤は、娘が卵アレルギーであることからきているのであって、ワクチンの卵の成分以外での副作用についてではありません。
卵の成分以外による副作用については、前述のように接種することのメリットを優先しています。
インフルエンザワクチンに含まれる卵の成分はどのくらい?
先ほどもご紹介した、
インフルエンザワクチン製造時に鶏卵を使用 卵アレルギーの子どもは予防接種できる?
日本アレルギー学会専門医・指導医によるYahoo!ニュースの記事によると、
日本で作られているインフルエンザワクチンに含まれる卵蛋白量は、1mLあたり数ng(ナノグラム)程度
※インフルエンザワクチンは、
6ヶ月〜3歳未満 で0.25ml接種
3歳以上 で0.5ml接種
WHO(世界保健機関)で定められたインフルエンザワクチンに含まれる卵の蛋白量は1mLあたり1000ng未満
明らかに、日本のインフルエンザワクチンの方が卵のタンパクは少ないです。
娘が摂取できる卵タンパクの量を計算し予防接種を再決心
インフルエンザワクチンに含まれる卵の成分が少ないという事は理解しましたが、娘が実際にその量を安全に摂取できるのか?が重要です。そこで、現在娘が摂取できる卵タンパクの量を計算してみようと考えました。
卵黄3.2gまで安全に食べられる
現在、娘は約1/5である
それは、卵一個分の卵黄のと先生から聞きました。ということは、
0.2gの1/5である0.04gの卵白が摂取できる
0.04gとは、卵1個分の卵白、約40gの1/1000である
卵1個分のタンパク質、約6.5gの1/1000は0.0065gである
0.0065g=6500000ng(ナノグラム)
上記から、3.2gの卵黄が食べられる娘は、6500000ngの卵タンパクが食べられると考えました。
※いろいろと突っ込みどころはあるかと思います。
自分自身でもいくつかつっこみたいところはあります笑
あくまでも、私自身が娘のインフルエンザ予防接種に踏み切ることにした、
素人の自己解決の過程を書いています。
この内容が正しいとも思っていません。
それでは続きます。
日本よりも多くの卵タンパクを含む、WHOで定められたインフルエンザワクチンには1mlあたり1000ng未満の卵タンパクが含まれる
3歳以上で接種するインフルエンザワクチンは0.5ml
WHOのワクチン0.5mlあたり、500ng未満の卵タンパクが含まれる
娘の卵タンパク許容範囲6500000ng > WHOワクチンの卵タンパク500ng
つまり娘は、WHO規定ワクチンの13000倍の卵タンパクが摂取できるということになります。
さらに、WHO規定のものより、日本のインフルエンザワクチンの方が卵タンパクの量は少ないので、もっと問題はないということになりますよね。
それでも、インフルエンザワクチンを接種したあとに原因不明のアナフィラキシーを起こす例もある。だが、それはどのワクチンを接種するにしてもあるリスクであると考えます。
こうして、娘が卵アレルギーであるということによる接種に対する不安は拭えた為に、インフルエンザ予防接種をうけることにしました。
予防接種の当日

自分なりに納得しても、基本的に予防接種を受けることに対するリスクには何とも言えない重苦しい不安はつきまとうもので、同意のサインも思い切って記入しました。
そして、ついにワクチン接種!
娘は、採血は定期的に受けており毎回泣いていますが、それとは比にならないくらい泣き叫びました笑
接種後の経過を、小児科の待合室にとどまり看護師さんに確認してもらい、帰宅してからの異変もなく、むしろ腕の腫れや痒みもあまりないようでした。
二回目の接種の時に先生には、まだ抗体ができていないから腫れなどがなかったんだろうと言われ、二回目のあとは少し腫れるかもとのことでしたが、二回目もあまり変化なく…
もしかしたら、抗体ができにくいのかもしれません汗
とは言え、特に異常なくインフルエンザワクチンを接種することができて安心しました!
ちなみに、娘の卵アレルギーの数値は下の表のとおりで、固ゆで卵の卵黄3.2gまで安全に食べられることを確認済みです。
項目 | クラス | 測定値 |
非特異的IgE | 5580 | |
卵白 | 6 | 244 |
卵黄 | 5 | 73.6 |
オボムコイド | 5 | 84.5 |
[jin_icon_pen color=”#e9546b” size=”20px”]今回は卵アレルギーのある娘のインフルエンザ予防接種に踏み切った過程について書きました。
アレルギーがなかったとしても、ワクチン接種はリスクを考えると多少のストレスを感じるものですが、やはり、アレルギーがあるということで、より強い不安がつきまといます。
ですが、日本で使用されているインフルエンザワクチンに含まれる卵タンパクは、本当に少ない量であるということが分かり、来年もきちんと接種したいなと思えました。