アレルギー体質で複数の食物アレルギーを抱えている娘をもつApicoです!
卵の成分がわずかながらも含まれているというインフルエンザワクチンは、深く考える前にアレルゲンを含むということで不安を感じあえて避けていました。
しかし、ワクチンを打たないリスクもあるわけで、どちらが娘にとっていい判断なのか葛藤し、ついに3歳にして初めてワクチンを接種したお話です。
その判断に至った道のりをご紹介します。
卵アレルギーでもインフルエンザ予防接種OKと判断した理由
この記事を執筆の2021年現在5才の娘ですが、3才まではインフルエンザの予防接種を受けたことがありませんでした。
それまでなんとなくインフルエンザワクチンを作る過程で卵が使われてるというのは頭にあり、卵アレルギーがある人には危険であり、接種できないというイメージをもっていたからです。
そうは言っても、インフルエンザが重症化してしまうなどワクチンを打たないことによるリスクもまた怖く、娘が産まれてから毎年インフルエンザワクチンを接種する・しないの選択の板挟み状態でかなりのストレスを感じていました。
改めて娘のアレルギー科の先生にインフルエンザワクチンについて質問すると…
そのような症状が出ているのは大人が多い
インフルエンザになってしてしまうと脳症のリスクもあるので後悔しない為にも接種を勧める
という意見をもらいました。
それでもまだ決心のつかない私は、自分のインフルエンザ予防接種を受けた内科の先生にも相談しました。
そう先生たちに言われたこと、
さらに、以下の日本アレルギー学会専門医・指導医によるYahoo!ニュースの記事で、
インフルエンザワクチン製造時に鶏卵を使用 卵アレルギーの子どもは予防接種できる?
アメリカで打たれているインフルエンザワクチンには、日本で打たれているワクチンよりも卵の成分が多く含まれている
それでも、重症卵アレルギーの子供も推奨される予防措置をしていればワクチンを接種できる
というアメリカのインフルエンザワクチン事情を知り、だんだんと予防接種することに対しネガティブな気持ちが薄らいでいきました。
また、別のサイトにも重症の卵アレルギーであっても接種可能という内容がありました。
ワクチンの製造過程で卵白成分が使用されていたことから、卵アレルギーがあると接種できないといわれていましたが、2011年にACIP(米国予防接種諮問委員会)より、じんま疹が出る程度の卵アレルギーでは問題なく安全に接種が可能と明言されました1)。2016年には重症の卵アレルギーのある人もアレルギー対応ができる医療機関であれば接種可能と、適応が拡大されました²)。重症の卵アレルギーのある患者さんは念のため主治医にご相談ください。
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
ワクチンプロジェクトチーム「こどもとおとなのワクチンサイト」
そうして、やっと娘の予防接種を受けようと決心した私は小児科へ予約の電話をしました。
その決心をするまでに時間がかかったこともあり、すでに予約がたくさん入っており限られた枠しか残っていません。電話をした翌々週があいていたのですが、ちょうど実家への長期帰省の予定を入れておりスケジュールが合いません。
仕方がないので、一旦帰省先から戻る一か月後の予約を取り、帰省先の小児科でワクチンを接種できればしようかなと考えました。
卵アレならインフルエンザ予防接種お断り!な小児科の存在
まだコロナが流行る前、私は娘を連れて年に数回、2~3週間ほど帰省していました。そのため、帰省中にかかる小児科も決まっていました。
さっそくその小児科で予防接種の予約が取れるかどうか確認すると…
なんと、その小児科では卵アレルギーのある場合、インフルエンザ予防接種を受け付けていなかったのです。しかもその小児科サイトには、ドクターは小児科&アレルギー専門医であると謳っているのです。
他の小児科のサイトを見ると、事前に抗アレルギー薬を服用してインフルエンザ予防接種をするというところもありましたが、帰省先の小児科では卵アレルギーがある場合は完全に受け付け不可ということでした。
現実に、卵アレルギーがあることによって、インフルエンザ予防接種をしないという先生もいるということに決心したはずの考えが揺らぎます…
そして、もう少し自分自身で納得してからでないと踏み切れないと感じました。
基本的には、ワクチン接種によるメリット・デメリット両方あると理解しています。
ワクチン接種せず病気になってしまう
ワクチン接種したことにより何らかの副作用がおきてしまう
この葛藤に関しては、インフルエンザワクチンに限ったことではありません。
どのワクチン接種のときにも変な緊張感をいつも感じ、保護者として接種に同意するサインをするときは、接種して大丈夫であるということに根拠も不透明なまま賭けているような状態。
自分の子供の健康や命を確実な保障などなく賭けで突き進むなんてありえないという気持ちにもなりますが、予防接種に関しては受ける、受けないどちらにしてもメリット・デメリットはあるわけで、どちらを選択したとしてもそれに賭けていることには変わりないと思っています。
結局は賭けのようなものだとしても、しっかりと判断材料は欲しい…
インフルエンザワクチンに含まれる卵の成分量はどのくらい?
先ほどもご紹介した、日本アレルギー学会専門医・指導医によるYahoo!ニュースの記事によると、
インフルエンザワクチン製造時に鶏卵を使用 卵アレルギーの子どもは予防接種できる?
日本で作られているインフルエンザワクチンに含まれる卵蛋白量は、1mLあたり数ng(ナノグラム)程度
インフルエンザワクチンの接種量
- 6ヶ月〜3歳未満 0.25ml
- 3歳以上 0.5ml
WHO(世界保健機関)で定められたインフルエンザワクチンに含まれる卵の蛋白量は1mLあたり1000ng未満
上記引用内容からは
- 日本 数ng
- WHO 1000ng未満
と、1mLあたりの卵タンパクは明らかに、日本のインフルエンザワクチンの方が、WHO制定のワクチンよりも少ないです。
しかし漠然と少ないとは言っても、その量の卵タンパクを接種者本人が安全に摂取できるのか?が重要です。
卵黄3.2g食べられる娘の卵タンパク摂取許容範囲は?
そこで、娘が摂取できる卵タンパクの量を計算してみようと考えました。
卵黄3.2gまで安全に食べられる
娘は固ゆで卵の約1/5である
それは、卵一個分の卵黄のと先生から聞きました。ということは、
0.2gの1/5である0.04gの卵白を娘は摂取できる
0.04gとは、卵1個の卵白の重量、約40gの1/1000である
卵1個分のタンパク質量、約6.5gの1/1000は0.0065gである
0.0065g=6,500,000ng(ナノグラム)
上記から、3.2gの卵黄が食べられる娘は、6,500,000ngの卵タンパクが食べられると考えました。
それでは続きます。
日本よりも多くの卵タンパクを含む、WHOで定められたインフルエンザワクチンには1mlあたり1000ng未満の卵タンパクが含まれる
3歳以上で接種するインフルエンザワクチンは0.5ml
WHOのワクチン0.5mlあたり、500ng未満の卵タンパクが含まれる
娘の卵タンパク許容量6,500,000ng > WHOワクチンの卵タンパク500ng
つまり娘は、WHO規定ワクチンの13000倍の卵タンパクが摂取できるということになります。
さらに、WHO規定のものより、日本のインフルエンザワクチンの方が卵タンパクの量は大幅に少ないので、もっと問題はないということになりますよね。
それでも、インフルエンザワクチンの卵以外の成分などにより原因不明のアナフィラキシーを起こす例もある。だが、それはどのワクチンを接種するにしてもあり得るリスクであると考えます。
こうして、娘が卵アレルギーであるということによる接種に対する不安は拭えた為に、インフルエンザ予防接種をうけることにしました。
卵アレルギーの娘、インフルワクチン接種当日
予防接種当日を迎え・・・
それでも、基本的に予防接種を受けることに対するリスクには何とも言えない重苦しい不安はつきまとうもので、同意のサインにも勇気を要しました。
そして、ついにワクチン接種!
娘は、採血は定期的に受けており毎回泣いていますが、それとは比にならないくらい泣き叫びました笑
接種後の経過を、小児科の待合室にとどまり看護師さんに確認してもらい、帰宅してからの異変もなく、むしろ腕の腫れや痒みもあまりないようでした。
二回目の接種の時に先生には、まだ抗体ができていないから腫れなどがなかったんだろうと言われ、二回目のあとは少し腫れるかもとのことでしたが、二回目もあまり変化なく…
もしかしたら、抗体ができにくいのかもしれません汗
とは言え、特に異常なくインフルエンザワクチンを接種することができて安心しました!
ワクチン接種時の娘のアレルギーIgE値はこちら
娘のインフルエンザワクチン接種当時(3才10ヵ月頃)の卵アレルギーの数値は下の表のとおりです。
項目 | クラス | 測定値 |
非特異的IgE | 5580 | |
卵白 | 6 | 244 |
卵黄 | 5 | 73.6 |
オボムコイド | 5 | 84.5 |
この状態で、固ゆで卵の卵黄3.2gまで安全に食べられることを確認済みでした。
卵アレルギーでも大丈夫?インフルエンザ予防接種まとめ
今回は卵アレルギーのある娘のインフルエンザ予防接種に踏み切った過程についてご紹介しました。
アレルギーがなかったとしても、ワクチン接種はリスクを考えると少なからずストレスを感じるものですが、やはりアレルギーがあるということで、より強い不安がつきまといます。
ですが、
- 娘が安全に摂取することのできる卵タンパクの分量
- インフルエンザワクチンに含まれる卵タンパクの分量
を比較することによって、ワクチンに含まれる卵成分によって起こりえるアナフィラキシーについての心配な感情は払拭することができました!
実際に現在も、卵アレルギーのある方にはインフル予防接種を行わないという小児科があるわけで、日々さまざまな情報に心配ごとも尽きませんが前向きに娘のアレルギーに付き合っていきたいです。